植物はパートナーとなるアリを認識できるか?
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植物には、葉などから蜜を分泌して食物を提供するかわりに、葉を食べる植食者から護ってもらうといった共生関係をアリと結んでいる種がいます。このような植物をアリ植物呼びます。アリがいる時には、蜜を出せば護ってもらえますが、アリが訪れていない時に蜜を分泌すると逆に植食者を誘引してしまうなど、悪影響が生じます。そのため、アリ植物はアリが訪れているか否かを認識して、蜜の分泌量を調整しているかもしれません。このアイディアを西日本ではおなじみのアカメガシワというアリ植物で検証してみました。するとアカメガシワはオオズアリが訪れると蜜の分泌量を増やすことがわかりました。さらに、アリが訪れた際には化学防御として機能するポリフェノールの含有量を低下させることがわかりました。つまり、アカメガシワはアリが来訪すると化学的な防御からアリに頼った防衛へ切り替えているようです。アカメガシワがどうやってアリを認識しているのかは今後の課題です。 |
Yamawo A., Tokuda M., Katayama N., Yahara T., Tagawa J. (2015) Ant-attendance in extrafloral nectar-bearing plants promotes growth and decreases the expression of traits related to direct defenses. Evolutionary Biology, 42: 191-198.